+神奈川県茅ヶ崎市 茅ヶ崎駅から徒歩3分。内科/生活習慣病(高血圧・糖尿病)クリニック「茅ヶ崎メディカルクリニック」

トピックス

トップ > トピックス
高血圧の日 2013.05.17 Friday | 08:57
久しぶりのお知らせになってしまいました。
今日は「高血圧の日」です。患者さんだけではなく、広く一般の方にも高血圧に関心を持ってもらおうと、日本高血圧学会が中止になり(http://www.jpnsh.org/general_0517.html)、一斉キャンペーンを行っています。

高血圧の診療をしていて思うことですが、血圧のことを皆さん本当によく知っていらっしゃいます。それから自宅でしっかり測っている方が実に多い!世界でもこれほど血圧に理解のある国は無いんじゃないかと思います。
ただその反面、治療目標まで達している方は未だに十分ではないことも問題として指摘されています。血圧は年齢や持病にあわせた目標値があります。薬を飲むにしても今は種類が豊富で、合うもの、合わないものがあります。個人に合ったオーダーメードの高血圧治療がなされるべきです。

高血圧の治療を受けている方もいままで血圧に関心が無かった方も、今日は血圧計に腕を入れてみましょう。


日本高血圧学会総会に参加してきました 2012.09.22 Saturday | 00:30
 9月20日〜22日の日程で、第35回日本高血圧学会(名古屋)が開催されています。今回の学会には昨日1日しか出席できなかったので、なかなかハードなスケジュールでしたが、実り多き学会でした。通常、学会総会というと基礎研究の発表や講演が多いものですが、高血圧学会総会は実際の診療に役立つ内容が多く、大変勉強になりました。
 多発性嚢胞腎の診断

1.   診断は問診と画像診断で行います。家族(血縁者)に同じ病気の人がいた場合、CTまたは超音波で嚢胞の存在を確認します。同時に尿検査と腎機能を確認します。

2.   腎機能の低下に影響する因子として、①高血圧②タンパク尿③性別(男性の方が腎機能は早く低下するとされています)、④腎臓の大きさ・腫大速度などがあげられます。このようなリスクをもった方には継続して検査を行います。

3.   多発性嚢胞腎の診断の次に必要なことは合併症の検索です。特に脳動脈瘤の有無を確認することが最も重要です。脳動脈瘤のスクリーニング検査にはMRAMRIを使った血管撮影)が適しています。MRAで脳動脈瘤が認められた場合、あるいは疑わしい場合にはカテーテル検査を行うことがあります。

4.   遺伝子診断についてはまだ一般的ではありません。原因遺伝子であるPKD1, PKD2の遺伝子解析が簡単ではなく、不確実な部分が多いからです。海外では一部、商業的に行われてはいますが、診断の確実性が確認できていない現時点では、行わないことが一般的です。

5.   小児についてですが、根本治療がなく、また小児期には腎機能も問題ないケースがほとんどなので、通常検査を積極的に行うことはしません。しかし高血圧を合併している場合や、尿所見がある場合には早期からの治療の必要性を考え、診断することがあります。今後、根本治療法が確立し、かつ遺伝診断の確度が上がった場合には、積極的に遺伝子検査によって診断する必要が出てくるかもしれません。小児期以降は、脳動脈瘤の合併や破裂比較的若い年齢でも起こりえますので、成人してから検査を行うかどうか、検討します。



多発性嚢胞腎の治療

1.   残念ながら現時点では、嚢胞の縮小や消失を目的として、確立した治療法はありません。しかし進行を遅らせるための治療は重要です。

2.   進行を遅らせる治療として最も大切なことは高血圧の制御です。高血圧を合併する患者さんの腎機能低下速度は速いことが知られていますので、適切な薬剤でしっかり治療をすることが必要です。

3.   食事療法についてですが、慢性腎炎のような低タンパク食を中心とした食事療法については効果が限定的であるという報告もあります。しかし食塩制限をすることや、タンパク質の過剰摂取を控えることは他の腎臓病と同様に重要です。腎機能や尿所見、血圧の状態を評価して個人個人に必要な食事管理をすることが必要です。

4.   厳密には治療とは云えませんが、しっかり飲水を行うことで嚢胞の発育を抑えたという報告があります。必要以上に飲むことはありませんが、真夏でもしっかりおしっこが出るように飲水をしましょう。またカフェインの過剰摂取はよくないとされています。

5.   肝臓にできた嚢胞の治療として、動脈塞栓術(嚢胞を栄養している血管を閉じてしまう)や嚢胞穿刺術(嚢胞に針を刺して嚢胞液を吸引し、小さくする)が行われることがあります。合併症もありますので、手術を行うかどうかは慎重に検討しなくてはなりません。

6.   脳動脈瘤が見つかった場合には、治療を行うかどうか脳外科の先生と検討します。治療は直接動脈瘤にクリップをかける方法と、動脈瘤にコイルを詰めてしまう方法があります。治療を行うかどうかについては、一般的には大きさが基準になっていますが、家族歴高血圧などの合併症の有無、その他のリスク因子を考えて検討するべきです。


参考資料

1.   多発性嚢胞腎診療指針(厚生労働省進行性腎障害調査研究班)日本腎臓学会誌 2011

2.   多発性嚢胞腎の全て(東原英二監修)インターメディカ刊



多発性嚢胞腎・・・その1 2012.05.28 Monday | 17:38
 日本で慢性腎不全になる比較的多い原因として多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)という病気があります。この病気は腎臓に嚢胞という“水のたまった袋”がたくさんできてしまうことによって起こります。この嚢胞は初期のうちは何も症状がないのですが、年齢を重ねて、数が増えたり大きくなってくると腎機能が低下してきます。この病気で腎不全になり、透析を必要とするまでには比較的長い年月がかかります。最初の頃は自覚症状が少なかったりするので、病気に気づくことが遅くなりがちですが、早めに診断しておかないと厄介な病気です。

この病気の特徴として大きく3つのことがあげられます。

1.腎機能

約半数の方が60歳代までに透析療法を行うような腎不全になるということが報告されています。このように腎機能は比較的高齢まで保たれる方が多いので、昔はあまり問題になることがなかったのですが、近年平均寿命が延びてくるにつれて、この病気の深刻さが認知されるようになってきました。

2.遺伝疾患

この病気は常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)という遺伝様式をとります。このことはお父さんとお母さんのどちらかがこの病気の場合、ふたりにひとりのお子さんがこの病気を遺伝してしまう確率があるということです(注:あくまでも確率なので2人のお子さんがいらしても2人とも病気にならないこともあります)。

3.脳動脈瘤の合併

腎機能を損なう以外にいろいろな合併症を伴うことがあります。合併症として脳動脈瘤は特に重要です。脳動脈瘤は脳にできる血管のこぶです。脳動脈瘤は通常の血管に比べると破れやすく、破れてしまった場合にはくも膜下出血を起こします。くも膜下出血は脳卒中の中でも死亡率の高い病気で、約1/3の方が死亡に至ります。脳動脈瘤の破裂は若い方でもおこりますし、多発性嚢胞腎に合併する脳動脈瘤は破裂しやすいという報告もあります。


この病気は、日本では1000人に1人とも4000人に1人とも云われており、正確な患者数が把握できていません。しかしこの患者数は決して少ないものではありません。自覚症状に乏しいことなどで、まだ病気に気づいていない方も相当数いらっしゃるということも考えられます。

最近は健診や人間ドックで発見されることも多くなってきましたが、腎機能が低下する以外にも脳動脈瘤を合併しやすいこの病気を早期診断することは非常に重要です。ご家族、親類に透析患者さんや、くも膜下出血や脳動脈瘤の患者さんが複数いる場合には一度検査をされてはいかがでしょうか。

 

日本腎臓学会より、わかりやすく解説した資料が出されています。

http://www.jsn.or.jp/jsn_new/news/PKD_manga.pdf



IgA腎症・・・よくある質問Q&A 2012.05.18 Friday | 16:51

IgA腎症は治りますか?

IgA腎症は腎臓の組織を診て診断をしますので、尿の異常が無くなっても治ったという判断はできません(寛解といいます)。また、一度壊れてしまった糸球体(硬化糸球体)が元に戻ることはないので、完全に元通りになるという考え方はできません。しかし、尿所見を正常化して、それを維持することは腎炎の進行を抑えるために、また、腎機能を保持するために重要なことです。


 ★妊娠はできませんか?

慢性腎炎患者さんの妊娠・出産については、日本腎臓学会が1997年に発表した「腎疾患患者の生活指導・食事指導に関するガイドライン」2011年に発表されたIgA腎症診療指針第3版」に準拠してお話がされると思います。腎臓組織の所見、尿タンパク量、腎機能(eGFR)、血圧をみて、重症度が高くなるにしたがって、注意や管理を厳しく行うということになっています。

妊娠中の母体や胎児の管理体制は、以前に比べて格段によくなっています。腎臓の状態がしっかりと把握できていれば、ひと昔のように「腎臓が悪い人は妊娠できない」・・・などと頭から云われてしまうことは少なくなっていると思います。妊娠の希望がある場合には、あらかじめ主治医とよく相談して、準備をしておくことが必要です。

 

★運動は制限されてしまいますか?

運動についても妊娠と同様に指針が示されています。軽度のIgA腎症の場合であれば全く運動制限を設ける必要はありません。しかし症状が重くなるにしたがって、運動量をどうするかが考慮されます。私の場合外来では、腎不全状態ではなく、尿タンパク量も安定していれば、運動に関してあまり多くの制限を設けることはしていません。ストレス解消メタボ対策にも運動は有効ですから、適度な運動は効果的です。ただし、真冬や真夏に激しい運動をすることは避けた方がいいと思います。

 

★自分の腎臓の機能を知りたいのですが?

腎機能を評価するには血清のクレアチニン(Cr)を使いますが、年齢や性別によって数値の評価が変わってくるので、画一的な腎機能の評価が難しい場合があります。日本腎臓学会が中心になって、血清クレアチニン値から腎機能を推定eGFR)する計算式を作成しました。このeGFR値が60」を下回るようであれば、腎機能が低下している可能性があります。

*以下にアクセスすると早見表が見られます。(日本腎臓学会HPより)

http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKD-hayami.pdf

腎臓ネットHP上で、自分のクレアチン値、年齢、性別を入力すると計算してくれます。

http://www.jinzou.net/



IgA腎症について・・・まとめ 2012.05.18 Friday | 16:25

PPAGE TOP