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多発性嚢胞腎・・・その1 2012.05.28 Monday | 17:38
 日本で慢性腎不全になる比較的多い原因として多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)という病気があります。この病気は腎臓に嚢胞という“水のたまった袋”がたくさんできてしまうことによって起こります。この嚢胞は初期のうちは何も症状がないのですが、年齢を重ねて、数が増えたり大きくなってくると腎機能が低下してきます。この病気で腎不全になり、透析を必要とするまでには比較的長い年月がかかります。最初の頃は自覚症状が少なかったりするので、病気に気づくことが遅くなりがちですが、早めに診断しておかないと厄介な病気です。

この病気の特徴として大きく3つのことがあげられます。

1.腎機能

約半数の方が60歳代までに透析療法を行うような腎不全になるということが報告されています。このように腎機能は比較的高齢まで保たれる方が多いので、昔はあまり問題になることがなかったのですが、近年平均寿命が延びてくるにつれて、この病気の深刻さが認知されるようになってきました。

2.遺伝疾患

この病気は常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)という遺伝様式をとります。このことはお父さんとお母さんのどちらかがこの病気の場合、ふたりにひとりのお子さんがこの病気を遺伝してしまう確率があるということです(注:あくまでも確率なので2人のお子さんがいらしても2人とも病気にならないこともあります)。

3.脳動脈瘤の合併

腎機能を損なう以外にいろいろな合併症を伴うことがあります。合併症として脳動脈瘤は特に重要です。脳動脈瘤は脳にできる血管のこぶです。脳動脈瘤は通常の血管に比べると破れやすく、破れてしまった場合にはくも膜下出血を起こします。くも膜下出血は脳卒中の中でも死亡率の高い病気で、約1/3の方が死亡に至ります。脳動脈瘤の破裂は若い方でもおこりますし、多発性嚢胞腎に合併する脳動脈瘤は破裂しやすいという報告もあります。


この病気は、日本では1000人に1人とも4000人に1人とも云われており、正確な患者数が把握できていません。しかしこの患者数は決して少ないものではありません。自覚症状に乏しいことなどで、まだ病気に気づいていない方も相当数いらっしゃるということも考えられます。

最近は健診や人間ドックで発見されることも多くなってきましたが、腎機能が低下する以外にも脳動脈瘤を合併しやすいこの病気を早期診断することは非常に重要です。ご家族、親類に透析患者さんや、くも膜下出血や脳動脈瘤の患者さんが複数いる場合には一度検査をされてはいかがでしょうか。

 

日本腎臓学会より、わかりやすく解説した資料が出されています。

http://www.jsn.or.jp/jsn_new/news/PKD_manga.pdf



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